宇宙の法則 たる出版 「たる」6月号掲載 

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「宇宙の法則」

「宇宙の法則」という言葉を友人から聞いたことがある。十年ほど前のことだ。彼が言うには、「ことを実現するためには、たった一つだけのことをすれば良い。それは、“思う”ことだ」と。
それだけでできるのなら楽なことだ、と思ったものだ。意味も良く理解できず、気にかけてもこなかったが、最近はたと、「本当かも」と思うようになった。
そういえば、お米を通した地域おこしを語っていたところ、しばらくして、「今井さんは、夢みたいなことを言っていると思っていましたが、着実に実行していますね」と、感心されたこともある。また、ある従業員には「社長は、こうしたい、と言われたことは全部叶えていますね」と言われた。
あれやこれやと想いをめぐらしていて、確信したことがある。「思えば叶う」という意味は、意志を持つことで自然と体が動き、目的が達成されることに繋がるということだ。
知識の習得もまったく同じで、学びたいという欲求が強いほどその速度が速くなる。人間には、不可能を可能にする素晴らしい能力が備わっている。
夢や強い意志を持ち、しかもそれが私的なことにととまらず、より広い社会性を帯びていればいるほど、願いを叶えようとする力も湧いてくるというものだ。幸せというものは、絶対的なものではなく、あくまでも相対的である。人と人の関わりの中でしか、味わうことができないというのが私の持論である。つまり、一人だけの幸せはあり得ないし、本来の幸せ感ではない。
自分のことは自分ではなかなか分からず、つまるところ、他人の目を通して、自分のことが分かるのである。それは、他人の目を気にする、という意味ではなく、人はもともと社会的な存在であるから、他人との関係のなかで「生きる」ことに意味を持たせられるのだと思う。
「引き寄せの法則」というものもある。目的に対する思いの強さが潜在意識を目覚めさせて、人が気づかないことを、当人には気づかせる。「天からひらめきが降ってきた」という表現をする人があったが、考えに考えていると、偶然に思いつくことがあり、私もそのようなことがあった。アルキメデスの※「ユーレカ!」もそうだろう。
「運」という言葉がある。考えてみるとなぜ「運ばれて」来るのだろう。それを掴むことができるのかどうかが、「運」そのものなのである。言いえて妙であると、改めて思う。
本の中に小さく「ママ」とルビが振られていることを、見つけたことがあった。何の意味だろう、と強い知識欲が湧いた。再びその同じルビに触れる機会があり、引用文において原文の「まま」であることを示しているのだと気づいた。それは「誤字・誤植ではないですよ」という確認なのである。小さなことではあるが、気にかけていただけに、おのずと答えに辿り着けてとても嬉しかった記憶がある。
私自身、「龍の瞳Ⓡを偶然に発見して運が良い」と人から言われることがある。51歳で農水省を退職して起業し、ブランド米としての知名度を上げ、利益をそれなりに出している会社の社長であれば、世間的には「成功者」と呼ばれるのだろう。
しかし、私は決してそう思っていない。まだ、道が半ばだということを、私自身が承知しているからである。
「宇宙の法則」なるものがあるとすれば、まだまだ多様で、奥が深いのだろうと思う。生きているうちに、アルキメデスならぬ「ユーレカ!」と叫べる瞬間が果たしてくるのかどうか。もちろん、諦めてはいない。「思い」をもって、それを探し続けていくつもりである。

※「ユーレカ」とは、アルキメデスが、王様から冠が金で出来ているのか調べてほしいと依頼され、風呂で溢れた水で金の容積を図る方法を見つけ、「ユーレカ(分かった)」と叫んだとの故事。

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